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最終更新日:2011年11月2日







即時地震情報解析システム開発






 大地震発生時には、その位置や規模を迅速かつ的確に求める事により、緊急災害対応の初動判断に活用されます。特に、主要動(S波)よりも伝播速度が速いP波を使って素早く震源情報を出すことが出来れば、地面が強く揺れる前に警報を出すことが出来ることになり、人的災害だけではなく社会経済的損害の軽減にも貢献することが出来ます。
 本開発計画では、日本全国に展開されている高感度地震観測網のデータを、まったく新しいアルゴリズムにより処理することで、地震発生から数〜十数秒で震源情報を出す事が出来るシステムを開発しています。



 P波到達・未到達データを用いた震源決定法の概念図。
2点にP波が到達した時点では、この2点のP波到達時間差の情報が得られるため、震源は緑線(実際には、半無限媒質では双曲面)のどこかにあることがわかる。
このとき、ほかの観測点にP波がまだついていない、という情報から、震源(震央)は赤線の範囲にあることになる。
これらの情報から、震源(震央)は青線上という、限られた範囲にあることがわかる。




鳥取県周辺の観測点で観測された地震波形記録が描かれており、震源が自動決定された瞬間の時刻が縦線で示されている。新しい観測点にP波(初動)が到達するたびに再決定をすることで、時間とともに精度の良い情報が出される。
大部分の地震波エネルギーが到着する前に震源パラメータが自動決定されており、このタイミングで地震警報を発信できれば被害軽減に役立つと思われる。


前図の(1)〜(4)に対応した震央の位置を示す。2回目の震源決定で、すでに既存の方法で手動決定された震央(◇)に充分近い位置に決められている。




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